治療薬や制度に関するご質問

Q.どのような薬剤を使用しているのですか?
A.本院では、CEマーク(欧州)やFDA認可(米国)など、製造・販売国における認可(日本でたとえますと厚生労働省認可)を得た純正品を使用いたしております。また、使用する薬剤は全て、歯科医師による歯科治療目的で使用するものとして厚生局に確認がなされ、輸入許可(薬監証明)がなされたものを使用いたしております。

Q.歯科医院におけるお口元の審美回復の適用とは?
A.以下のような場合に、ヒアルロン酸を用いた審美・美容歯科治療が適用となります。
・歯科口腔外科領域の疾患による形態の変化に対する口唇領域の審美回復
・一通りの歯科治療を行った上で、なおかつより一層の審美回復をご希望される場合
具体的には・・・
・歯が喪失して口元のハリがなくなってきた
・歯周病で歯茎がやせて口元が気になる
・咬み合わせが低くなって口元がたるむ
・顎顔面外科処置後の口元が気になる
・インプラントや矯正治療後の審美ケア

などがあげられます。

 また、ボツリヌス製剤による治療も、ガミースマイル(口唇の過拳上)や、咬筋肥大を伴う食いしばりや歯ぎしりといった歯科口腔外科領域の治療を目的としています。

 プラセンタ治療も、歯槽骨の形成促進など、歯科口腔外科領域の治療や歯肉の健康の維持増進を目的としています。

 したがいまして、いずれの美容歯科治療も、単純に美容のみを目的とした治療は、歯科といたしましてはおすすめいたしておりません。


Q.歯科口腔外科の診療領域とは?
A.平成8年に、厚生省(当時)において、歯科口腔外科に関する検討会」が開かれました。その中で「標榜診療科としての歯科口腔外科の診療領域について」という議題があり、歯科医師が単独で診療することができる領域として、以下の領域が意見として取りまとめられました。


「標榜診療科としての歯科口腔外科の診療領域の対象は、原則として口唇、頬粘膜、上下歯槽、硬口蓋、舌前3分の2、口腔底に、軟口蓋、顎骨(顎関節を含む)、唾液腺(耳下腺を除く)を加える部位とする」。


 従いまして、歯科医院においては、たとえば「頬のたるみが気になる」「鼻筋を整えたい」「目元が気になる」といったようなご要望には、残念ながらお応えいたしかねます。

Q.口唇とは?
A.「口唇」といいますと、一般的には唇の赤い部分をイメージしますが、医学的(解剖学的)には、次のように定義されています。

【口唇の構造】
 皮膚部・移行部・粘膜部の3部に区別。皮膚部は一般の皮膚と同じ構造で、汗腺、毛包腺(脂腺)があり、成人男性は須毛を生ずる。皮膚部と粘膜部との移行部は角化しない重層扁平上皮で毛はなく、固有層は血管に富み、透明な上皮を通して赤く見え、いわゆる唇紅(あるいは赤唇、赤色唇縁)をきたす。口腔粘膜に続く粘膜部は、粘膜で覆われ、口唇腺が導管をもって開口する。口唇の基礎をなすのは口輪筋で、口裂を取り囲み縁部と唇部とからなり、口裂を開閉するのに役立つ。
(医歯薬出版:歯科医学大辞典より)

 つまり、口輪筋に裏打ちされた部位が「口唇」となります。治療の部位で言いますと、鼻唇溝(法令線)内側、上唇と鼻の下縁までの部分、口角溝(マリオネットライン)、下唇と顎までの上約半分(顎先は入りません)となります。
具体的には下の写真の領域の内側(口輪筋に裏打ちされた部分)です。



 逆に、上記領域の範囲内の疾患等に起因する見た目の回復が目的であれば、歯科医師の診療領域であるということが、厚生労働省(旧厚生省)の検討会の議事要旨に明文化されており、十分な知識と技術をもって行えば、法的にも問題は生じないことになります。